第九話「助けて下さい、妹を」

恋愛模様がまさに枷となってきました。

「今までの作品とは違う、見たままに思ってくれればいい」といった通り
捻りは少なく話が進んでラストはどうなるんでしょう?
これまでだと悲劇的だけど究極のモノというのが多く見られるけど
今回は全然決幕がわからない。

モノローグ
あの時僕は静かに
そう静かに
興奮を静めていた
この小さなお城に侵入する
如何なる外敵からも彼女を守り抜け
だから君のことを忘れないよ
例えばそれが君の待ち望んでいる
王子様であったとしても

真理子の家
 哲也「じゃあどうすればいいの?」
真理子「そのまま」
 哲也「そのまま?」
真理子「貴方と結婚する気はないわ」
 哲也「JUST MOMENT PLEASE」
真理子「YES」
 哲也「君は僕が好き、ここまではいいよね?」
真理子「勿論好きよ」
 哲也「そして君は独身主義者ではない。蒸返して悪いけど愛がなくても見合いの男と結婚しようとしたくらいだ。
    これは1+1の足し算です、幼稚園児でもわかる。ねっ?」
真理子「そうね」
 哲也「好きな僕と結婚する、ビンゴ!」
   「OK、高等数学に移項しよう。ここに僕がまだ若くて学生だという時間軸が発生する、
    そこに古文や日本史も入れてみよう、貴方が年上で教師だという下らないモラル感」
真理子「貴方と結婚はしない」
 哲也「理由は?まさか唯のこと?」
真理子「全然関係ない」
 哲也「だよねまだそんなこといってたら貴方を嫌いになる」
真理子「理由はすごくシンプルなの」
 哲也「ぜひ聞きたいね僕が発狂する前に」
真理子「貴方を愛してるから」
 
まなとの家
  唯「だからまなとが幸せだと唯も幸せになる、だーい好きなまなとのことだもん
    まなともそうでしょ?」
まなと「その通りだよ。唯が幸せだと幸せになる。世界中が不幸でも君だけが幸せであれば」
  唯「うわぁ、オーバーだ」
まなと「ちょっとね」
  唯「でも嬉しい」
まなと「そう?」
  唯「うん」
 
音楽室
  遥「本当は意外と恐がりなんじゃにかな」
 哲也「僕が?えー君に言われちゃうの」
  遥「フフ私や入江くんよりもむしろずっと、だからいつも軽くジョークみたいにして誤魔化してる
    すごく寂しいのに笑って」
 哲也「そうなんだよ、君の言う通りなんだよ。僕は誰よりも孤独で
    いや誰かが離れていくのが恐い。
    それならば始めから愛さなければいい。僕は嘘の世界で生きてるんだ」
  遥「佐伯くん」
 哲也「なんちゃって、僕舞台役者にもなれるかな」
 
公園
まなと「唯も苺からなんです、けど僕は好きな物は最後に残してしまう
    いや僕だけじゃない沢村だって殆どの人がそうだと思います
    端から少しずつ食べて最後にホイップの付いた苺を食べる、美的感覚的にも可笑しい」
 哲也「でも最初に食べないと誰かに食べられちゃうかもしれないじゃない」
まなと「誰が食べるんです?」
 哲也「いや例えばだよ」
まなと「誰も食べないですよ」
 哲也「可笑しいかな?」
まなと「可笑しいですよ」
 哲也「でも僕からするとそっちが可笑しいんだよ」
まなと「唯もきっとそう思うのかも」
 哲也「価値観が違う?」
まなと「だから不幸なことに唯にとってあなたの代わりはいない」
 哲也「そうでもない、単純な話だよ。
    君が苺を先に食べればいい」
   「ね?」
 
真理子の家
  遥「きっと何でも手に入る人だと思うんです」
真理子「そうね」
  遥「でも本当に欲しいものは皆が欲しいものじゃなくて、先生だけなのかなって。
    そう思うと時々むかつくけどちょっと可哀想に思えて。
    先生だって好きなのにどうして結婚してあげないのかなって」
真理子「恐いの彼の可能性を奪うのが、あなたの言うように彼にはすごく才能があるの色んなことにね。
    あたしはすごく普通なの全然平凡で、だから大人ぶってきたけど彼についていくの結構大変で
    平凡な幸せでいいの」
  遥「好きなのに離れていけるんですか?」
   「私にはわからない」
 
モノローグ
あの時僕は気がつくと
彼女と出逢った最初の場所に
辿り着いていた
何も感じず
何も考えてやしなかったのに
どうして僕はここにいるのか
一つだけ確かなことは
通りすがりの誰かに質問されたら
こう答えただろう
だから君のことを忘れないよ
そこの君?
もしかして死にたいのかい
えぇその通り
僕は消えてなくなりたい


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