モノローグ
あの時の僕は
少しもセンチメンタルにならない自分を
不思議に感じていた
だから君のことを忘れないよ
ホロ苦くにも思い出すには
君はまだあまりにもすぐ傍にいすぎた
神社
沢村悟「お姉ちゃん、おにいいちゃんのこと好きなんでしょ」
遥「違うよお兄ちゃんをお姉ちゃんが好きなの」
沢村悟「あれ?それっておんなじだよ」
遥「フフ、わかった」
遥「唯ちゃんすごいはしゃいでるね」
まなと「誰だか知らないけど僕に会わしたいのかな」
遥「フフ、気持わかる」
遥「ほら親とか兄弟に紹介するってのってごーいんな感じするから」
まなと「そんなものなのかな」
遥「私だったらよっぽどじゃないと出来ないけど」
まなと「よっぽどって?」
遥「だってその後、壊れたりしたらなんかばつが悪いし」
まなと「唯は先のこと考えないんだよ」
遥「羨ましいなぁ」
まなと「えっ」
遥「それって今をすごく楽しんでるってことでしょ」
まなと「子供なんだよ、彼って言ったってどうせ体したことないだろうし」
ガソリンスタンド
遥「唯ちゃn凄すぎるよ、展開早いって」
唯「早くないよ普通だよ」
遥「フフ、普通かぁ」
唯「フフ」
海の砂浜
唯「きれー」
まなと「えっ?」
唯「夕日」
まなと「あぁ」
唯「ねぇまなと聞こえる?」(ここでのカットがうまいね、二人を端によせてってのが)
まなと「何が?」
唯「太陽が海に沈んでく音、ジュジュジュって」
「今日も一日すごくすごく好きだった気持をゆくりゆっくり冷やす音だよ」
まなと「どーして冷やすの?」
唯「体が熱くて眠れないじゃない」
「ジュジュジュ‥」
モノローグ
なんだか僕は
一年分のお喋りをしていた
壊れたCDデッキみたいだ
世界お喋り選手権の第四位くらいには入れたはずだ
もしも止まってしまったら
何かの選択を短い沈黙にしなくちゃならない
どっかでそう感じていて
僕はそう
よくパニクっていた
覚えているもんか
僕はひとり突っこみしながら
ひたすら時計との我慢比べをしていた
喫茶店
遥「入江くん、私達ってなんか似てるよね」
まなと「そうかな」
遥「似てるはあれとして、奥の方がなんか似てるような気がする」
まなと「かなぁ」
遥「だからそんな風に無理しなくいいよ」
まなと「無理って?」
遥「自分を見ているようでなんか痛々しい」
まなと「dーゆう意味?」
遥「解るでしょ」
まなと「あ、いやぁ‥」
〜沈黙〜
遥「唯ちゃんうまくいって良かったね」
まなと「えっあぁまぁ、うまくって?」
遥「佐伯くんつき合ってる人がいたの」
まなと「そうなんだ、唯も言ってたな相手には好きな人がいるって」
遥「でもその人結婚しちゃうんだって他の人と」
まなと「やっぱ年上か」
遥「だから彼と唯ちゃんは」
まなと「うまくいった、そうだよな二人とも仲よさそうだったもんなぁ」
遥「Hもしちゃったって」
まなと「えっ?」
遥「展開早くて驚いちゃったけど、好きどうしなら別に当たり前だよね」
「人それだと思うけど、さっき似ているって言ったのは私達とは全然違うなって」
まなと「展開遅いって?」
遥「というよりこのまま進まないって感じ」
まなと「あぁなるほど、あっなるほどじゃないか」
遥「ねぇ入江くんタクシーで帰ろっか」
まなと「畜生」
遥「えっ?」
まなと「出よ」
遥「えっ?」
まなと「こんな床居ても仕方ないよ、とにかく出よ」
哲也「いや正確にいうと愛そうとはしたのかもしれない、反作用の法則を利用して
反作用、すなわち本当の愛する人を忘れようとする反動
失恋の後つまらない男と結婚する女の悪しき典型だね。
同情はするよ、ホントに愛する人は事故で死んでしまったのだから。
愛する者はつくるものではなくてつくられるものだ、故に一人で行こうと決心した、もう誰も愛することはなくても」
〜中略〜
真理子「愛する人は死んでしまった」
哲也「心の中では生きてるって?、同じことや」
真理子「現実に生きてるの」
「貴方だから」
真理子のお家
哲也「かりそめの天使がいた」
真理子「天使?」
哲也「僕の心を癒してくれた」
真理子「あの子?」
哲也「どの子?たくさんいてわかんない」
真理子「あたしに会いにきた」
哲也「すごくいい子ポップだし僕と相性もいい、ただ..」
真理子「ただ?」
哲也「僕は真理子が言ったように現実に生きてる人間ですから」
「天使に恋はしな〜い」
まなとの部屋
唯「でもねまなと、優柔不断と優しさとは違うんだよ。
それじゃあ遥ちゃんに失礼だよ。
だってほら最初は先輩に片思いだったけど強い気持で頑張ったから、だからまなとも頑張れば」
まなと「いないんだ」
唯「えっ」
まなと「その子中学の時に転校しちゃって」
唯「そうなんだ」
まなと「すごく素敵な子で僕にとってまるで、天使みたいな」
モノローグ
あの時
君に好きと告げられたら
僕達の物語は変わっていたのだろうか
だから君のことを忘れないよ
恋してるのは君にだと
そう告げられたなら