最終話「雪の国のSOS」

まなとの『最後の最後まで君は僕を困らせたねエンジェル』エンジェルって囁くのが憎い(苦笑)
フランスの恋愛小説読んでるようだったよ。

唯がいつからかまなとのことが好きになっていた。
となると遠くから学校を見てたのはまなとに‥?
またしても野島さんの故郷 新潟にロケ
やっぱり愛着わくし 良いよね。

虚栄心の強い人はもう一人の自分を隠そうとする
それもまた誰に気付いてくれよう
唾棄すべきもの
『だから君のことを忘れないよ』
この言葉がすべてだったんだと。

モノローグ
あの時僕は突然
そう突然
もう一人の自分を呼び戻してしまっていた
ファイルターとしてのメガネをかけていた
あのもう一人の僕を
だから君のことを忘れないよ
最後の最後まで君は僕を困らせたね
angel

 
病院の敷地内
まなと「ちゃんと諦めたからかな」
  遥「唯ちゃんのこと?」
まなと「うんまぁ、唯が体力的にまじヤバい状況にいたら
    なんか変なざしんが消えてたっていうか」
  遥「悟りの境地かな」
まなと「かな?」
〜中略〜
ショートケーキを持って
まなと「どっからいこうかな」
 
音楽室
  遥「私あれから色々考えたんですけど、やっぱどう考えても納得出来なくて
    大人になるとそうゆうこともあるのかなって思うと...不安になって」
真理子「不安?」
  遥「ただ好きだけじゃダメなのかなって」
真理子「その方がいいの絶対、私もそうだと疑いもしなかった
    変わっちゃたんだろうね。
    私の人生が彼に縛られちゃう 私は彼に染まって生きちゃう」
  遥「それは不幸なことですか?」
真理子「だってそれじゃあ私の今までが可哀想でしょ?」
   「ううん違うね、ごめんね。多分何かの罰だと思う」
  遥「罰?」
真理子「親のこととか将来のこととか、いつからか二人に関係のないこと持ち出して
    それじゃあ一番好き人はあげないっていう 神様の罰」
  遥「先生」
真理子「お見合いした人と一度婚約までいったの 妊娠してるの」
  遥「えっまさかその人の....じゃあその人と(結婚する気?)」
真理子「それが私の罰」
 


哲也の演説?
僕達は愛するために生まれました

僕達は愛するために生まれました
僕達は苦しむために生まれたわけじゃありません
無責任な大人達がつくった二十世紀は矛盾や欺瞞に満ちていたが
僕達は苦しむために生まれたわけじゃありません

時々心無い人に出会うと後ろから殴りたい衝動に駆られますが
僕達は傷つけるために生まれたわけじゃありません
時々心無い人に出会うと不安定になり息苦しくなりますが
僕達は傷つけあうために生まれたわけじゃありません

僕達は時々もう一人の自分をつくりあげます
それは苦しみや悲しみから逃れるためかも知れません
他人から見れば逃避かも知れません
家の中に引き隠り
あるいは違う場所に逃げたくなるんです
もう一人の自分という友達に話し合うために
だから如何なる人も孤独になることはありません
すべての人に必ずもう一人の自分という友達がいます
その友達は僕達は悪い奴だと思う時があります
臆病で残酷だったりする奴と
でも真実は違う
臆病で残酷だったりするのは
友達ではなく本当の自分です
だからこそその素晴らしい友達と僕達は別れなければいけません
そうしないと僕達はいつまでも
もう一人の自分に甘えてばかりいるからです

さて、それはいつなんでしょう?
愛する人と巡り逢った時です
寂しさも悲しみも苦しみも
もう一人の自分に代わって
愛する人が共有してくれるからです
さぁ愛する人を探しに行こう
僕達は愛する人の前で一日のことを話し
笑い 泣いて 抱きしめ合い キスして セックスする
そして勇気を貰い
同時に与える
僕達はただ愛するためだけに生まれました
ただ僕達は

卒業生代表 佐伯哲也


 
 哲也「心配してくれたのが嬉しかったらしい」
   「優しい優しいまなと、リンゴを剥き食事をつくり 片時も傍を離れず自分を見守ってくれる
    いけないこととわかっていたけど そのまま病気のフリをし続けたんだ
    まなとが心配してくれるのを ずっと見ていたかったんだよ」
   「どんな我がままも聞いてくれる自分だけの優しいまなと それが恋の始まりだと気付かずに、
    意識し出した頃は遅かったかも知れないと
    なぜならまなとにはずっと忘れられない女の子がいるから
    その見えない相手に嫉妬していたんだよ 誰にもそう見せずに」
  遥「そんな」
 哲也「唯のキャラじゃないって言いたいんだろ でも本当に好きになると人は皆臆病になる
    僕を御覧、二年も留年して真理子の傍にただ居たんだよ
    君がいつか言ったように愛を告げる時どこか茶化しながらしか言えなかった」
  遥「失うのがこわいから」
 哲也「だけど唯は平瀬愛が現実には在ないような気もしてた」
  遥「どうして」
 哲也「手紙に消印が無かった」
  遥「そのことに気付いて」
 哲也「だけど実際には存在した 君が変装してね」
  遥「ショックだった」
 哲也「そりゃそうだ、まなとが極まって唯に平瀬愛などいないと白状した時
    唯は告白するつもりだった 〜そんなの知ってたよ〜って笑って」
  遥「じゃあ唯ちゃんは」
 哲也「僕の時とは違う、まじに死ぬつもりかも知れない」
  遥「私なんてこと」
 哲也「自分を責めることはないよ、全部誤解が生んだだけだよ」
  遥「でも」
 哲也「僕だってそうだよ、すぐにまなとに教えてやるべきだったんだ」
  遥「どうしたら、好き同士なのに」
 哲也「もはや唯から告白は出来ない、絶望してるからだろうね」
  遥「あるよ、唯ちゃん救う方法。
    彼が、入江くんが気持を伝えれば」
 哲也「それは無理だろう。まなとにそれが出来るくらいなら とっくにそうしてる」
  遥「だけど」
 
  遥「罰だと思うって」
 哲也「罰?」
  遥「二人の関係ないこと考えていた罰
    周りの景色ばかり見ていたら いつのまにか逸れてしまような」
 哲也「君、真理子の考えていたことがわかるの?」
  遥「私、大人になるのがこわい」
  遥「昔から言うね好きな人とは結婚出来ないって どうしてかな きっと疲れちゃうのかな
    だから別の人で安らぎたい そして時々その人を思い出すの 死ぬ時もそうかも知れない」
 哲也「そうゆうことかもしれないね 恋愛だけが人生のすべてじゃないって」
  遥「私はヤダな、苦しくても一生に一度の人と生きたいな」
   「生きたいよ」
   「だって私達は愛するためだけに生まれてきたんでしょ?」
 哲也「誰が...」
  遥「ジョークなの?」
 哲也「いや、僕にしては珍しく大真面目」 
 
まなとと唯
  面白い取って置きの話があったのに
  君に聞かせてあげられなかったね
  と言うより君だけには永遠に話すことは無かっただろうけど
  けど今だったら話してあげられるよ
  何故って?
  だって今の君には僕の心の中は透けて見えるだろうから
  言葉で言うのも心で思っているのも同じことだろうから

  まず僕が平瀬愛のことなんだけど
  あれはまったくのデタラメで
  口を聞いたことも無かっただけじゃなく顔すら憶えていないんだ
  あの黄色い返事の手紙も沢村に頼んで書いてもらったものなんだ
  君が昼間遭った(?)のも沢村が変装してたんだ
  始めに嘘ついちゃったから
  どんどんそうするしかなかったんだよ
  君が御飯食べないって言うから
  もう最後なんか必死になって嘘ついたよ
  沢村には本当なんてお礼いっていいのかわからない
  僕は彼女を随分傷つけてしまったのに

  君に内緒にしてたことがまだ他にもあるんだ
  実は佐伯さんはもっと早い段階で君の見舞いに来てくれいたんだ
  ホラ君とこの鈴
  さっきの道に落ちてたよ
  この話をしていた間
  インターホンが鳴ったんだけどあれは父さんではなく彼だったんだ
  そして僕は彼を追い返してしまったんだ
  その時の彼面喰らったような顔してたよ
  でも本当言うとね
  君と彼が付き合ってるのを知った時 そんなに嫌ではなかったんだ
  彼が好きだったんだろうね どこか憧れていたのかも

  さぁそろそろ本題に入ろうか
  僕も眠くなってしまったからね
  君をずっと捜し回ってもう草臥れちゃったよ
  唯、取って置きの面白い話って言うのは他でもないんだ
  君はきっと吹き出すかも知れないけど
  唯、僕は君のことを愛していたんだ
  言葉では言い尽くせない程、愛していたんだ
  ね?こんなに面白い話ないだろ?
  どこにも...
 
救急車の中
まなと「それにしても死んだフリするかねぁ、あのシチュエーションで」
  唯「だってクマさんに出会ったから」
まなと&唯「フフ」
 
一年後
  唯「まなとーごめんごめん待った?」
まなと「わざわざ待ち合わせなんかしなくたってさ一緒に出ればいいじゃん」
  唯「やだぁ、それじゃふいんき出ない」
まなと「いこう、映画始まる」
  唯「待って、その前に唯お腹空いちゃった」
まなと「あとで!」
   「最近食べ過ぎじゃないの?」
  唯「幸せだからかな」
まなと「はいはい」
  唯「それか妊娠するか?」
まなと「ないない」
  唯「今ちょっとドキッとしたでしょ」
まなと「別にしてないよ」
 
モノローグ
あれから一年が過ぎた
驚いたことに沢村は三ヶ月で中退して
ニューヨークに行ってしまった
僕はと言えば
相変わらず進歩があるのかどうかもわからない
ただ心はとても満たされていた
だから決して君のことを忘れないよ
在り来たりな僕達の
ありったけのこの想い
忘れるはずもない
なぜって?
いつまでもこの僕の目の前に
変わらずに存在しているんだから


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